ブサキ寺院はバリヒンドゥー寺院の総本山で、バリ島で最大の寺院です。
ところで、「ブサキ」というのはバリ語の「バスキ」からできた言葉で、安全とか無事を意味しています。
8世紀頃にさかのぼりますが、アルカンディアという名のお坊さんが東ジャワから開拓民を連れてバリにやってきました。
目的は豊かな土地を探すためでした。
アルカンディアは、アグン山を目の前にした、その場所がとても気に入り、ここにまず、寺院を建てることにしました。
そして、金、銀、銅、鉄、宝石という5つの鉱物を土に埋めて、無事な開拓を祈ったと伝えられています。
8世紀といえばヒンドゥー教がインドネシアに入るだいぶ前のことですから、この寺院は仏教寺院として建てら
れています。
そのため、この寺院にはヒンドゥー教にない建築様式が残っています。
たとえば境内に入るまでの道が52段ものテラスになっていますが、それはヒンドゥーにはない様式です。
ヒンドゥー教とがバリ島に入ってきて、17世紀頃になりますと、ブサキ寺院の在り方が変わってきます。
王様の葬儀を行う寺院として使われるようになりました。
その後、バリヒンドゥーの総本山としての格式を徐々に備えるようになったと言われます。
ブサキ寺院は3つの部分からできています。中央の大きな寺院に3つの神様が祭られています。
真中にあるのが「シワ」という風の神で、左が「ウィスヌ」という水の神、そして右が「プラウマ」という火の神です。
「シワ」「ウィスヌ」「プラウマ」の3つの神様はバリヒンドゥーにとって最も重要な神です。
道の左右にある石像は1953年にギャニャールに住む彫刻家によって作られましたから、これはヒンドゥー
スタイルです。
総本山を中心にして、その周辺に300くらいの建物と20位のお寺があります。
これらはバリ島の、それぞれの地域の村や町が自主的に建てたもので、現在も増え続けています。
ブサキ寺院は10年に1度、100年に1度、大きな祭りがあります。
10年に1度の祭りを「パンチャワリクラマ」といい、100年に1度の祭りを「エカダソルトウラ」といいます。
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