グヌンカウィとは古代の岩山という意味です。
この言葉のとおり、グヌンカウィは大きな岩に彫刻を施した王家の墓です。
とは言っても、11世紀に作られたものですから、時代はバリ島にヒンドゥーが入ってくる前になります。
つまり、バリオリジナルの王朝が作ったもので、王朝の名前をワルマデワと言います。
ライステラスを見ながら、狭い石段を下りていきますと、両側が石の壁になります。
石段を降りますと、聖なる川と言われるパクリサンの流れが目に入ります。
その手前の左側に高さ7メートルほどの石壁が現れます。まるで城壁のように見えます。
これがバリで一番大きな遺跡と言われるグヌンカウィです。
その岩壁には5つの墓が並んで、それぞれが彫刻されています。
この墓を造ったのはワルマデワ王朝の6代目の王様だと言われています。
墓には4代目の王様と王妃、5代目の王様と王妃、そして墓を作った6代目の王様自身が入っています。
彫刻のある岩壁がもうひとつありますが、そこには6代目の王様の4人の妃が入っています。
ワルマデワ王朝はこの6代目の王様の時代が最も栄えたのかもしれません。
墓のある場所からパクリサン側をはさんで向かい側に、これらの墓を守るように寺院があります。
この墓は1920年にヨーロッパ人によって発見されました。
この発見よりずっと以前から、この地には言い伝えがありました。
それは「昔クボ・イワという大男がいて、その男が爪を立てて彫刻をした」というものです。
その言い伝えが正しかったことが9世紀後に証明されたということで、土地の人はだれも驚かなかったといいます。
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