タナロットという言葉は、「タナ」は土地という意味、「ロット」は海という意味です。
したがって「タナロット」は「海の上にある土地」といった意味になります。
この言葉からも想像できますように、タナロットは岩でできた小さな島です。
島は海岸からおよそ100メートル離れたところにあります。
タナロットには言い伝えがあります。今から500年位昔のことです。
ニラルタという、位の高いお坊さんがはるばるジャワからやってきました。
そしてバリ島の海岸を歩くうち、このタナロットに至ってびっくりしたと言います。
なぜかと言いますと、その時、ちょうど空が真っ赤に焼けていて、目の前の小鳥が影絵のように浮き出ていたのです。
そして、更に、彼を驚かせたのは、その小さな島の上から天に向かって光が上がっているのが見えたことです。
彼は「タナロットには神がいる」と考え、直ちにその島に寺院を作ることを決心したといいます。
この寺院は海の神様を祭るためのもので、島の上には小さな塔が3つ並んでいます。
この寺院では210日に1度の割合で祭りがおこなわれます。
その日が来るとバリ中からたくさんの人がここにやってきます。
潮が引けば歩いても島に渡ることができますが、お祈りを目的としない人は、この島に上ることはできません。
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